前回の記事でちょろっと書いた、大学時代に隣の部屋に住んでいたA先輩についてお話します

A先輩という人は2つ学年が上で、基本シャレオツで後輩の面倒見がとてもよい人でした
このA先輩、同郷で学部も同じということもあり、入居当初からとても可愛がってもらってたんですね

しかし、彼の部屋に入ったのは1回しかないんです
これは彼の卒業引越しの手伝いのため、O君と2人で初めて上がったときの話です

彼の部屋はね、鏡がないんです
洗面台や風呂場はもちろん、自室にもない
それだけじゃない
昼夜を問わず、カーテンは閉めっぱなし
TVやPCのモニタにまでタオルがかけられてる始末

思い切って聞きました
「なんでTVにタオルかけてるんです?」
すると彼は淡々と、
「この部屋ね、同居人がいるんだ。髪の長い女。」

初めて同居人に気づいたのは住んで間もなくのことだそうで、この部屋もO君の部屋と同様、最初から洗面台や風呂場に鏡がなかったそうなんです
ある時、夜中までTVを観ていて、いよいよ眠くなってきたのでTVを消してベッドに行こうとしたとき
その暗いTVの画面に映るA先輩の部屋、先輩のずっと後ろ、部屋の壁際に髪の長い女の頭が浮いていたんだそうです
ハッと思ってまじまじと見ようとしたら、それはもう消えていて
恐ろしい見間違い、とその日は自分に言い聞かせて寝ちゃったそうです
そしてまた数日後、今度は深夜にバイトから帰ってきたときです
僕らの部屋の間取りは玄関から開けたらすぐダイニングで、玄関から直線方向に自室があるような典型的1DKでした
部屋の電気をつけたとき、ベランダの大窓が鏡のように部屋を映しました
ふと先日の見間違いを思い出して、さっさとカーテン閉めようと大窓に向かいました
カーテンに手をかけたところで何気なく大窓越しに部屋を見たんですね
部屋の右側から...ゆっくりと左側へと視線を動かし...部屋全体を眺める...
ちょうど中央くらいまで目線を動かすと、玄関が見えました
玄関先の電気は消えていて暗い...が、不自然に長い影がある..?
よく見ると、それは影じゃなくて髪
例の髪の長い頭が玄関先に浮いていました
今度は見間違いじゃない!とじっと見ました
しかし、顔のディティールはわからなかったそうです
そしてこれも、前回よりは長かったみたいですが、気が付くと消えていました
そんな事態が度々起きるものだから、先輩は鏡とかモニタなどの映るものを極力排除していたんですね
ちなみに鏡越しでしか見たことはなく、生で見たことは一度もないそうです


自分は卒業するもんだから、残された後輩に恐怖を植え付けようとしてるのか、けしからんと思ったりもしましたが、先輩の部屋を片付けするうちに本当かも、と思いました
それは片付けも終盤、部屋一面に敷かれたカーペットを外そうとした時のこと
壁際とカーペットの隙間に手を入れようとしたら、その隙間にホコリと一緒に長い毛が挟まっていました
それも1本2本じゃない
他辺の長い毛も全部集めたら、ボールペンくらいの太さになるほどにありました
その先輩、僕が知る限り、ずっと短髪なんですよね



そんな怖い物件ですが、「なんで引っ越さないのか?」
1.親に説明できない。「アホか」「男が女々しいこと言うな」で一蹴
2.ダントツに家賃が安い。他の物件では親子共々負担が増えてしまう
主に経済的事情で我慢せざるを得ない...というのが実情ですね
でも実際、耐えきれなくて引っ越した人はいます
僕が住んだ4年間で少なくとも2人はいました
そんなアパートですが、まだ健在だそうです

あなたの部屋の鏡は大丈夫ですか?何も映っていませんか?
映るのは鏡だけじゃありません
モニタにも注意しましょう

あ、あと注意!
合わせ鏡は非常によろしくない、これは有名
同様に、ポスター類も対面に合わせてはいけないそうです

コメント

担当(元)
2015年10月3日11:33

もう恐くて鏡みられへん(ノД`)

担当

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